人の記憶には、少し前のことを記憶する短期記憶と、勉強したことや昔のことを覚えているという長期記憶とありますが、ワーキングメモリーはそのどちらとも違うものです。短い時間に頭の中に情報を一時的に保存して、それを操作するという能力で「作業記憶・作動記憶」とも呼ばれています。
一時的に脳に記憶するということは日常生活で当たり前のように使われており、私たちはワーキングメモリーを無意識に使っています。
会話をしたり、先生やお友達に言われたことを伝言したりなど、一時的に記憶をしつつ、それにどう反応するかを考えるなど、生きていく上でとても必要な能力です。
ワーキングメモリーが高ければ、どんないいことが起きるでしょうか。
ワーキングメモリーが高い子どもの頭の中は、広い机に沢山の資料があっても整理されている状態です。
情報を整理することができれば、どれが重要な情報か、どれがいらない情報かすぐに判断できますよね。
物事に優先順位をつけ早くつけることができるので判断も早く、要領もいいです。宿題や学校の準備などの「やらなくてはならないこと」、ゲームや友だちとの約束などの「やりたいこと」の両方をすることができ、生活が充実します。
また、雑音や騒音などの「いらない情報」によって気が散ることがなく、目の前のことに集中することができます。これは、学校の授業でも先生の話をずっと聞くという点でも必要ですね。
ワーキングメモリーが低いとどんな困ったことが起きるでしょうか。
ワーキングメモリーが低い子どもの頭の中は、小さな机に資料がごちゃごちゃとある状態です。机が小さいので少しの資料でも整理するのが難しいのです。
「重要な情報」が「いらない情報」によって邪魔されるということがよく起きます。「忘れっぽい」というのが、ワーキングメモリーが低い子どもの特徴です。
たとえば、目的を忘れやすく、「なにをしていたんだっけ?」となり、いつの間にか他のことに夢中になったりします。他にも、会話の話題を忘れ、「なにを話していたんだっけ?」となり、話が脱線することが多いです。また、口頭での指示は忘れやすく、苦手です。
そして、ワーキングメモリーが低い子どもにとって、同時に並行して複数の作業をすることが苦手です。例えば、先生の話を聞きながら、ノートに記入するということが難しいことです。
ワーキングメモリーは鍛える能力!!
ワーキングメモリーは生まれつき決まっている能力ではなく、鍛えられることができる能力です。リエゾンでは下記プログラムを積極的に取り入れ、楽しく学ぶことを大切にしています。
ワーキングメモリープログラム
- 運動(武道や水泳、アスレチックなど。。)
- 絵本の読み聞かせや読書
- 調理実習や食育
- 認知機能教材の使用
- 呼吸をコントロール
- 課外活動をより多く、新しい事への体験
- アートや音楽に触れる
- ドラマセラピー(感情の表出やコントロール)
- 日常会話とコミュニケーションによる刺激